水音

奥へ奥へと
分け入る。
水音が心地いい。
海へたどり着くまで
ただただ
一心に流れる
その様に惹かれる。
川のほとりに腰を掛け
水音に体をあずける。
体内の水分と
水音が
共鳴したように
じんわりと
心に流れ込む。
固まっていたのものが
流れはじめた。
脳みそに
しがみついていた固定観念。
胸に残った
チリチリする痛み。
今
流れていけるモノが
今、流れていく。
そして
体の内側に
余白が生まれる。
水の流れは
脱力し
流すことを
教えてくれる粋な先生だ。