鏡越し

何万回と見てきた

鏡越しの自分。

それはまだ表面的な自分。

 

 

もっと深いところにいる自分は

まだこの鏡には映っていない。

 

 

今日は何もせず手を止めて

鏡に映る自分と対峙する。

 

 

鏡に映る

その瞳をただ真直ぐに見つめる。

 

 

ただただ見つめる

5分、10分……15分。

 

 

この瞳は

これまで何を見てきたのだろう?

 

たくさんの見たくないものが

あったのかもしれない。

 

 

この瞳は

何を訴えているだろう?

 

たくさんの想いを

抱えたままでいるのかもしれない。

 

 

この瞳はどんな感情を

押し込めているのだろう?

 

涙が出ないようにと踏ん張ったことが

あったかもしれない。

 

 

瞳の奥から何かが込み上げてくる。

あふれてくる。

 

あふれるままにあふれさせ

これまでの労をねぎらう。

 

 

これまでありがとう。

よくやってきたよ。

 

 

そしてまたこの瞳で

この世界を見ていく決意をする。

 

この瞳に

映したい世界を創造しながら。

 

 

 

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